« 2009年08月 | メイン | 2010年03月 »

2010年02月10日

2010年2月19日(金)〜28日(日)の10日間、東京都写真美術館にて、「映像」の現在的意味を問う「第2回恵比寿映像祭」が開催されます。会期中は多くの作品の展示・上映のほか、各種のイヴェントが行なわれます。


この第2回恵比寿映像祭で、『SITE ZERO/ZERO SITE』内外で活躍される5名により、「オルタナティヴ・ヴィジョンズ──映像の生態学」と題するラウンドテーブルを行ないます。


【日時・会場】
- 2010年2月20日(土)13:30〜15:30、東京都写真美術館地下1階イヴェント会場


【登壇者】
- 柳澤田実(南山大学人文学部准教授)
- 大橋完太郎(東京大学グローバルCOE特任研究員)
- 榑沼範久(横浜国立大学メディア研究講座准教授)
- 平倉圭(東京大学グローバルCOE特任研究員)
- ドミニク・チェン(NPOクリエイティブ・コモンズ・ジャパン理事)


【入場料】
- ¥400(前売)/ ¥500(当日)
お近くの店頭(チケットぴあ、ファミリーマート、サークルK・サンクス)
電話予約 0570-02-9999
電子チケットぴあ@ぴあ
※チケットの買い方 >> チケットぴあのお店・コンビニのサービスご案内


なお、当日の議論は「オルタナティヴ・ヴィジョンズ──映像の生態学」の第3回めにあたります。非公開で行なわれたこれまでの2回の議論は「Yebizoフォーラム」でお読みいただけます。
ご関心のある皆様は是非お気軽にご来聴ください。

────────────────────────

Yebizoラウンドテーブル
オルタナタナティヴ・ヴィジョンズ──映像の生態学


映像の生態学──批評と創造、そしてエチカへ

柳澤田実

メディア的体制の変化にともない、アートの基底材である環境世界とそれに相関する私たちの生態がドラスティックに変質してきたということは、既存のメディア論・消費社会批判でも繰り返し述べられている。しかし、実際にそれがどの程度変質しているのかについては、十分な精査がなされてきたわけではない。生き物としてのヒトの生態に対する批判的検討を困難にしているのは、それを根底で支える知覚経験が容易には意識化されえないからである。このラウンドテーブルでは、アート作品、とりわけ映像が実現しうる批評性・創造性を探るために、にわかには意識化しがたいヒトの生態、とりわけ知覚の領域に踏み込みつつ議論を行なった。こうした生態学的なアプローチによって考察されたのは、映像の触覚性に関する古典的議論であり、知覚を通じて世界を探索する身体と独我論的意識にまつわる問題であり、また知覚するヒトの情動や行為を誘発する映像の解像度・密度についてである。これらの議論は、世界を知覚・認識するヒトが超個体=「群れ」へと生成変化する可能性へと連なり、また潜在する複数の生の可能性を再活性化するライフ・ログ(Life log)的メディアの創造にまで連結していった。かくして映像を巡る生態学的アプローチは、ヒトという生き物の生存の様態=生き方という極めてエチカルな観点から映像メディアを再考する可能性を描き出したと言えるだろう。知覚経験から倫理へと迫る今回の議論に触発され、来るべき生態環境のヴィジョンが多様に具体化してゆくことを願っている。